このページでは、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」(以下「マンション建替え円滑化法」という。)のなかで、マンション管理士試験・管理業務主任者試験で出題される内容・要点・ポイントについて解説します。
目次
総則
目的(1条)
マンション建替え円滑化法1条で、同法の目的について規定しています。
その内容は、次の通りです。
- マンション建替え円滑化法は、マンション建替事業、除却する必要のあるマンションに係る特別の措置およびマンション敷地売却事業について定める。
- 上記を定めることにより、マンションにおける良好な居住環境の確保ならびに地震によるマンションの倒壊その他の被害からの国民の生命、身体及び財産の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
定義(2条)
マンション建替え円滑化法2条で、同法に登場する用語について定義しています。
- マンション:2以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるもの。
- マンションの建替え:現に存する1または2以上のマンションを除却するとともに、当該マンションの敷地(これに隣接する土地を含む。)にマンションを新たに建築すること。
- 再建マンション:マンションの建替えにより新たに建築されたマンション。
- マンション建替事業:マンション建替え円滑化法(第3章を除く。)で定めるところに従って行われるマンションの建替えに関する事業及びこれに附帯する事業。
- 施行者:マンション建替事業を施行する者。
- 施行マンション:マンション建替事業を施行する現に存するマンション。
- 施行再建マンション:マンション建替事業の施行により建築された再建マンション。
- マンション敷地売却:現に存するマンションおよびその敷地(マンションの敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却すること。
- マンション敷地売却事業:マンション建替え円滑化法で定めるところに従って行われるマンション敷地売却に関する事業。
- 売却マンション:マンション敷地売却事業を実施する現に存するマンション。
- 区分所有権:建物の部分を目的とする所有権(建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)2条1項に規定する区分所有権)
- 区分所有者:区分所有権を有する者(区分所有法2条2項に規定する区分所有者)
- 専有部分:区分所有権の目的たる建物の部分(区分所有法2条3項に規定する専有部分)
- 共用部分:専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物および規約より共用部分とされた附属の建物(区分所有法2条4項に規定する共用部分)
- マンションの敷地:マンションが所在する土地および規約によりマンションの敷地とされた土地。
- 敷地利用権:専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利(区分所有法2条6項に規定する敷地利用権)
- 借地権:建物の所有を目的とする地上権および賃借権。ただし、臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。
- 借家権:建物の賃借権。ただし、一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。
国および地方公共団体の責務(3条)
マンション建替え円滑化法3条では、国および地方公共団体の責務について次のように定めています。
- 国および地方公共団体は、マンションの建替えまたは除却する必要のあるマンションに係るマンション敷地売却(以下「マンションの建替え等」という。)の円滑化を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
基本方針(4条)
マンション建替え円滑化法3条では、基本方針について次のように定めています。
- 国土交通大臣は、マンションの建替え等の円滑化に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
- 国土交通大臣は、基本方針を公表しなければならない。
マンション建替事業の施行者(5条)
マンション建替え円滑化法5条では、マンション建替事業の施行者について、次のとおり定めています。
- マンション建替組合は、マンション建替事業を施行することができる。
- マンションの区分所有者またはその同意を得た者は、一人で、または数人共同して、当該マンションについてマンション建替事業を施行することができる(個人施行者)。
つまり、マンション建替事業の施行者となるのは、マンション建替組合と個人施行者のいずれかということです。
なお、マンション建替組合は法人となります(マンション建替え円滑化法6条)。
マンション建替事業
個人施行者の認可までの手続き
要件
マンション建替え円滑化法5条2項で、マンション建替事業の個人施行者になるための要件が、次のとおり定められています。
- マンションの区分所有者またはその同意を得た者は、一人で、または数人共同して、当該マンションについてマンション建替事業を施行することができる。
つまり、マンション建替事業の個人施行者となることができるのは、マンションの区分所有者、もしくはマンションの区分所有者の同意を得た者ということです。